授業紹介 -デザイン思考とロジックモデル-

授業の様子
こんにちは!
本記事では共創工学部の学生が2年生前期に受講する必修授業である「デザイン思考とロジックモデル」についてご紹介します。

デザイン思考とロジックモデル、通称デザロジ(デシロモと呼ぶ人もいます)では、グループワークを通してデザイン思考・ロジックモデルの手法について学習します。
授業では、まずデザイン思考について全体像を学んだ後、学食・生協のどちらか一つを対象に、デザイン思考を実践します。実際に調査を行った結果を基に設定した課題を解決するためアイディアを出し合い、プロトタイプを実装、ロジックモデルを用いてプロジェクトを整理し、最終発表を行いました。

最終課題は「共創工学デザインウィーク!」として計2週間の実践を行いました。
その中からいくつかの取り組みをご紹介します。

あるグループでは、食堂に掲示している広告への意識付けというテーマのもと、主成分分析を活用した食堂の混雑率予測モデルと結びつけ、待ち時間の短縮や有効活用を目指しました。
データサイエンスで学んだ内容を生活に生かすことができるという実感を得るとともに、変数選択やユーザーへの働きかけの難しさを学びました。

また、生協でプロジェクトを行ったグループは、雨の日の利用を楽しくするために、雨の日限定のラジオを行いました。
雨の日に対する考え方は人によって違い、それを基にどうすればより多くの利用者に雨の日を楽しんでもらえるかを考えたことで、違った考えを持つユーザーの意見を集約する難しさを実感しました。

最後に、授業を担当されている文化情報工学科の土田先生に伺った、授業に関するインタビューを掲載します!

①授業を通して学生に身に着けてほしい力について教えてください。

まずは「デザイン思考」という問題解決のフレームワークと「ロジックモデル」という目標達成までの道筋を可視化するツールを使いこなせるようになって欲しいです。また、自分たちで実際にモノ・コトをつくり、ユーザからのフィードバックを得ながら改善していくプロセスが如何に重要か体感してほしいなと思っています。
そして特に大事にしてほしいのが、グループワークを通じた「チームでの動き方」の習得です。メンバーの特性や状況が異なる中でも、どう声をかけ、どう役割を分担し、どうチームのパフォーマンスを上げるか。そうした経験の積み重ねこそが、これからの共創に不可欠な力になると信じています。 是非、まだ記憶が新しいうちにチームの中での自分の動きはどうだったか?改善点はなかったか?など振り返ってみてください!

②教員の目線から、デザイン思考とロジックモデルを学ぶ意義について教えてください

「デザイン思考」は、研究とかなり通じる部分があるなと思っています。たとえば、何かテーマを立てるときにいきなり「問い」を決めるのではなくて、まずはたくさん調べたり、人に話を聞いたり、現地/現場に行ったりして、徐々に問いの形を見つけていきます。 その過程はデザイン思考で学ぶプロセスにかなり近いと思います。最終的に立てる問いにはセンスが問われる部分もありますが、それに至るまでのプロセスは誰でも鍛えられますし、今回の授業ではまず「共感」という視点を持つことができたんじゃないかと思います。
そして「ロジックモデル」はまさに共創工学部にぴったりだと思っていて、多様なステークホルダー(要は関係者)に説明するときに、誰でもぱっと見でわかる1枚絵で全体像を共有できるのはとても強力です。共創人材として必要不可欠なツールであることは間違いないと思います。 ぜひ今後、新しく何かプロジェクトを始める際はロジックモデルを描いてみて、みんなで見直しながら進めていってください。

③最後に、受験生の方へのエールをお願いします。

文化情報工学科では、これからの社会でとても重要になる「他者と協力して価値をつくる力」を実践的に身につけることができます。 デザイン思考やロジックモデルといった思考ツールを使いながら、自分たちのアイデアをかたちにし、ユーザの声を受けて改善していく、その小さな積み重ねがやがて新しい文化や価値の創造につながっていく、そのような体験ができるのがこの学科の魅力だと思っています。 まだ新しい学科ですが、1〜2期生には本当にアクティブで面白い学生が多く、学科の「文化」そのものを自分たちで育てているような雰囲気があります。
ぜひ3期生、4期生として一緒にその流れに加わり、文化情報工学科をもっと面白くしていきましょう!

投稿日:2025年8月21日
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